ヤクルトのバレンティンが王貞治の1シーズンホームラン記録の55本を抜いた。
王さんの55本は1964年、つまり東京オリンピックの年だ。
次の東京オリンピックが決まった今年、49年ぶりの更新になった。
僕が大学生のころ、バースが54本まで迫って連続敬遠されて
どうもそれは「外人に王さんの記録を抜かせるな」という雰囲気だったみたいで
当時の日本のプロ野球の閉鎖性が云われてたけど
今、21世紀の平成の世になっても
野村克也が「メジャーリーグのお払い箱に抜かれるのは日本の恥だ」
みたいなことを云ってて、あの頃とあんまり変わってないよなぁという感じだ。
大リーグって云わないだけマシかな。
野村克也は1965年に三冠王を取っているが、その年は阪急のダリル・スペンサーが最大のライバルだった。スペンサーは野村の所属する南海との試合ではなんと8連続敬遠されている。抗議の意味で、バットのグリップとヘッドを逆さにして打席に入っても敬遠され、最後は交通事故にあって2週間欠場し、ホームラン4本差で野村に敗れている。誰かノムさんに云ってやれよと思うが、記者さん達スペンサー知らないよね。
バースの後、2000年代に入ってローズとカブレラがそれぞれ55本のタイ記録まで行ったけど、やっぱりシーズン終盤に勝負して貰えず新記録は出てなかった。
今回は残り試合が多かったから「まぁしょうがないか」という感じなんだろう。
本塁打の記録が更新されたけど打率はどうだろう。
打率はバースが54本打った翌年に3割8分9厘をたたき出している。
イチローがNPB最後の年に1厘差に迫ったところでMLBに行ってしまったので
しばらく更新は難しいかもね。
一番大変そうなのは打点だ。
ちょっと話を戻すけど、日本人でホームランをシーズン50本以上打っている選手は4人しかいない。
王、野村、落合、そして小鶴誠
この人が1950年に松竹ロビンズで161打点を上げている。
単純計算でスリーランを50本打っても届かないすごい記録だ。
もう60年以上更新されていないことになる。
2005年の満塁時6割の打率を誇った今岡誠でさえ147打点。
今年で云ったら、ブランコがバレンティンぐらいホームラン打たないと抜けないってことになりますね。