モノを書くということ

1Q84を読み終わった。

世間的に村上春樹なんか好きというと俗物扱いされそうだけど

面白かったよ、楽しめました。

分量があったのでちびちび読みました。

彼の作品にしては珍しく

実在(東京)の地名がバンバン出てきたり

文学賞レースの内幕みたいなくだりもあってドメスティックな部分もあるけど

きっとこの本も世界的に

国民所得が1万ドルを超えた国々で読まれていくんだろうね。

 

ただ、ちょっとびっくりしたのは

結構な数の人がネットで

この本の続編が出るんじゃないかと云っていることだ。

 

どうやら村上春樹自身が「この物語には続きがある」って

どこかのインタビューで答えたみたいで

それに反応して色んな人が期待しているようだ。

 

正直、ちょっと信じられない気がする。

こんな完全に閉じてしまった物語の続編を期待すること自体が僕には理解できない。

そりゃ物語の作者として

自分が創造した世界は続いていると話すのは当然だし

刊行の仕方が、まず1と2が出て

しばらく置いて伏線を一気に回収する3が出たという経緯はあるけど

もう1回はないよ。

 

100歩譲って、ファンだからこの話の続きを読んでみたいと云う気も

分らなくはない。

でもないですよ、この続き。

この話はここでお終いでしょう。

 

いくら面白かったからと云って

ダスティン・ホフマンに「卒業」の続きの映画演れって云ってるみたいなもんだ。

そりゃ物語として誰かの中には存在するかもしれないけど

観たいですか? そんな話

 

とまあ、僕から見ると

「この小説を読んだけど、私は結局何を書いてあるか理解できませんでした。」

と同義なことを

たくさんの人がブログに書いているのに驚きました。

謎が全部解明されてないから続きがあるはずだ!って

それって余韻ってものじゃないんでしょうか。

そんな人は出来のいい供述調書でも読んでいればいい。

具体的に書くとネタバレになるのでこれ以上は書きませんが。。。

 

もしこの本の続編が出るとしたら

よっぽどお金に困るか

書けなくなって自己模倣に陥ったときじゃないでしょうか。

でも、もう十分に稼いでいるだろうし

セルフプロデュースの上手な作家だから

たぶんそれもないでしょう。

 

とまあ色々と書いたけど

人には色んな感じ方があるし

もちろん僕がこのブログに書いていると同じく

他の人がブログに何を書こうと勝手だ。

僕もわざわざ、そのブログのコメント欄で批判しようとは思わない

そっとブラウザを閉じるだけだ。

 

ただね、本当にちょっとびっくりしたんですよ。

あらためてこれだけ多くの人に読まれるって

そういうことなんだなと思いました。